牧野信一全集刊行記念トークショー「不思議の国のマキノ」報告
2002年5月20日(月)、筑摩書房版牧野信一全集の刊行を記念し、種村季弘・小森陽一の両氏によるトークショー「不思議の国のマキノ」(青山ブックセンター主催、筑摩書房・「続・西部劇通信」後援)が開催されました。

(撮影 津久井隆)
トークショー「不思議の国のマキノ」のタイトルボード(青山ブックセンター制作)


午後6時30分開演。会場は青山ブックセンター本店サロン(営団地下鉄表参道駅徒歩5分)。約100名の方々の参集をいただきました。 青山ブックセンター本店サロンの会場風景
牧野には、複数の言葉の体系が同居しつつ交錯し、お互いせめぎ合ったり、引っ張り合ったりしているすごくダイナミック言葉の世界があると感じる。
小森陽一氏
小森陽一氏の趣旨説明の後、種村季弘氏が入場、牧野文学に登場する女性像をめぐって、精緻な解説をなされた。その後小森氏からの示唆により牧野作品に見られる言語の多重・分裂についての検討に移り、19世紀末東欧の文学状況などとの比較を交え、論議はこれまでに見られない地平に進み、前半を終了した。 僕は何が好きかというと、彼の作品の中に出てくる女性像が好きなんです。そのことをお話したいと思う。
種村季弘氏
作品の引用を交え、マキノ文学の全体像に迫る論議が交わされる
今回の全集では、時事新報社の『少年』『少女』という雑誌に書いているものがかなり取り入れられているので、丁寧に見ていくといいと思う。
故・保昌正夫氏(→追悼関連記事)
後半は来場くださった、新全集を監修されている保昌正夫氏と、著書に「牧野信一」がある柳沢孝子両氏の発言をいただいた後、マキノワールドの主舞台である小田原圏の歴史・自然・風土と近代化課程に論議がなされた。そして当時の小田原圏の持つ「混交性」という特質から、牧野作品のイメージの多様性を検証する中で、新全集第一巻に初収録された初期作品への言及が行われた。 牧野信一の文学生活は、何回か変転をしている。…ぜひ、全集で、頭から最後まで一回読んでいただけたらなと思う。
柳沢孝子氏
ご参集いただき、ありがとうございました。
2時間あまりの講演に熱心に耳を傾けた。
先生方本当にお疲れさまでした
午後8時40分閉演

(構成 熊谷真理人)




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