• 1935年(昭和10)(三九歳)
  • 放浪の日々のなかで、5年越しの悲願
    「ユリイカ」の翻訳を出版



    東京

    8月、小川和夫との共訳で『ユリイカ』出版(芝書店)。横須賀と五反田霞荘との間を往来する。せつと小川和夫との「失踪』事件。年末、妻子と別居(せつ達は上記、鈴木民平宅)。鈴木十郎に仲介を懇願する。

    小田原

    1月、横須賀に義弟浅尾辰雄方で療養。(横須賀市山王町68)この時期金澤、浦賀、三崎、城ケ島、油壷、伊豆熱川などを転々とする。8月、友人の彫刻家牧雅雄死去。

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    名作「鬼涙村」を収めた単行本は翌年芝書店から刊行。白と黒の瀟酒な装丁も不吉さを醸す。

    「俺はラッパが吹ける、俺は約束を守る、俺は友を信ずる、俺はなりわいのために言辞は弄さぬ、俺は馬鹿ではあるが嘘は吐かぬ、俺はカルタは切れぬが馬には乗れる、なさけと夢(ロマンス)には今でも泣くが、鉄砲も打てるし、天文学と博物と芸術に興味を持ち、酒は去年までは一升飲めたが、今はその半分で駄目だ」(浪漫的月評-3、昭和10)

    一般事項(国内)
    美濃部達吉の天皇機関説問題化。芥川賞、直木賞創設。
    一般事項(国外)
    フランス人民戦線結成。コミンテルン第7回大会、人民戦線路線テーゼ採択。イタリア、エチオピア侵略開始
    一般作品(国内)
    「世界文化」「日本浪漫派」創刊。川端康成「夕景色の鏡」(「雪国」第1稿)太宰治「道化の華」小林秀雄「ドフトエフスキーの生活」
    一般作品(国外)
    オーデン「見よ、旅人よ」チャペック「山椒魚戦争」ヤスパース「理性と実存」


    作品
    「裸蟲抄」「文学的自叙伝」(新潮)「淡雪」(文藝春秋)「城ケ島の春」(東京朝日新聞)その他随筆・雑文多数。(28篇19誌)
    その他
    1935年1年間の掲載紙誌。新潮・経済往来・若草・早稲田文學・文藝通信・モダン日本・文藝放談・時事新報・令女界・文藝首都・文藝・中央公論・文藝春秋、新聞各紙


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